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Phil Mickelson

ゴルフ少年ミケルソンが、“フィル・ミケルソン”になるまでの物語

ゴルフ少年だったミケルソンは、いかにしてゴルフの魅力にはまり、ゴルフ世界殿堂入りを果たすまでに成長したのか。そしてミュアフィールドで大きな1勝を挙げられたのか。
父親のスイングを鏡のように真似たことでレフティになった話は有名だが、フィル・ミケルソンは3歳の時から自己流のやり方でゴルフを習得していった。そして43歳の現在に繋がる物語をご紹介する。By Tom Callahan

ゴルフの魅力が頭を離れることはなかった

南カリフォルニアで過ごした5年間を除き、2人の右利きの兄弟は、初めてのゴルフスイングをレフティで行った。父親の正面で、鏡を見るようにしてスイングを真似ていたのだが、兄弟の内1人は簡単に逆手で素晴らしいほどのフォームでスイング。誰かに何かを言われたわけでもなく、彼は右手を左手の上にもっていき、それからただの一度も変えなかった。そして自己流のやり方を習得していった。これこそ、フィル・ミケルソンが3歳の時の話で、43歳の現在に繋がる物語の始まりだった。

母親によれば手足が大きな子供だったというが、「今まで見た中で最も不器用な子供」だった。壁や柱にぶつかることが多かったため、家の中でフットボール用のヘルメットを被せられていたというほど。

そんな少年ミケルソンは、ゴルフの魅力に取りつかれた。おそらく「愛しているよママ。でも、行ってきます」という書き置きをしてゴルフコースに向かう唯一人の少年だったかもしれない。

ゴルフの魅力が頭を離れることはなかった。本人の話では、「学校でも通路でパットの練習をしている姿を写した写真がある。きっと『うーん、硬いグリーンの上でボールはどういう風に転がるんだろう?』なんて考えていたのだろうね。それは今でも思うくらいだから」とのこと。

どんな形にせよ、ゴルフは楽しくプレーするものと教えられた

ミケルソンのプレーに最も影響を与えたのは父親で、教えられたことは今でも心に残っていると話す。どんな形にせよ、ゴルフは楽しくプレーするものと教えられた。
8、9歳の頃、ミケルソンは地面に向かってクラブを投げ捨てたことがあった。それから数ホールはプレーをただ黙ってみていただけだったが、しばらくすると自分の行いを心から反省するように「パパ、これからは楽しくやれると思うんだ」と小声で語ったという。

「父は学校帰りに迎えに来てくれて、昔は市営のバルボアというコースに通ったものだ。14、15ホールプレーすると辺りは真っ暗でね、僕らは暗闇の中を遠くから歩いて、峡谷を渡って車まで戻っていた。その時の記憶が一番懐かしいね」。

父にとって最も印象に残っている記憶は、1987年の全米アマチュアオープン。当時17歳のミケルソンの実力なら上位進出は確実と思っていた父だったが、些細なルール違反により1ストロークを失い、それが原因で脱落。その3年後、息子は同大会で優勝を果たす。

1993 年 2 月 21 日: フィル

1993 年 2 月 21 日: フィル ・ ミケルソン 1993年ビュイック インビテーショナル トーリー パインズで優勝し両親と喜びを分かち合った

メジャーで長年勝てなかったことを批判され続けた

今では誰も考えつかないだろうが、プロ入り後もベストプレーヤーとしての評価を得つつ、メジャーで長年勝てなかったことを批判され続けた点について、父は次の様に当時の状況を語っている。
「アマチュア時代の実績を信じていたし、フィルの実力は間違いなかった。ただ、メジャー大会におけるビジネスの形態にはがっかりさせられた。フィルがどれだけ懸命に取り組んでいたかを理解していたからね。それに、やっと息子がメジャーで優勝したと思っても、メディアは次世代の選手に注目してしまう。メジャー優勝の具体的な時期を明言すべきではないけれど、息子は決して自分の勢いを失いはしない」。

20年前、プロ転向から1シーズン半で43万ドルの賞金(現在までにトータル8000万ドル)を獲得したミケルソンは、テキサスのクラブハウスで、メニューにフランスの画家スーラの様な点描画法で絵を描き、「右利きのパターンはこう。左利きのパターンはこう。違いはわかる?」と言葉を交えイラストにしてみせた。

『この少年は、自分達が考えつくイメージよりも、多くのイメージを頭に描いているんじゃないか』

当時の様子についてベン・クレンショーはこう振り返った。「彼は他の選手とは違う考え方を持っている。それが、成績が振るわないラウンドでも彼自身が学びの場に変えられる所以なのだろう。仮に上手くプレー出来ていない時でも、スコアを上げる方法を考えているからね。以前プロアマの大会で、彼が林を超える50ヤードの真っ直ぐなショットを打つのを見た。まるで爆撃機が爆弾を落とすように、正確にホールに吸い込まれていったんだ。その時、『この少年は、自分達が考えつくイメージよりも、多くのイメージを頭に描いているんじゃないか』と思ったものさ」。

クレンショーが振り返ったテキサスでのその日、ミケルソンはフェニックスに飛び、NBAフェニックス・サンズの試合を観戦に行こうと考えていた。当時サンズのチアリーダーだったエイミー・マクブライドにぞっこんだったからだ。しかしミケルソンのアドバイザーであるスティーブ・ロイ、そしてキャディーのジム(ボーンズ)・マッケイは、とんでもない考えとミケルソンを諭した。それから20年後、ロイは未だに彼のアドバイザーを務め、マッケイもキャディーを続けている。そしてエイミーはミケルソンの妻となり、本人は未だにトップレベルでゴルフを続けている。不思議な男だ。

ミケルソンが好きな名選手のシーン

そんなミケルソンが空想に耽ることがある。
「カプルスの立ち振る舞いが好きだ」と、ショットパターンを度外視して語ると、また続ける。「ニクラスのコースマネージメント、ファルドの落ち着き、バレステロスの想像力、ワトソンのショートゲーム、クレンショーのパッティング、それにノーマンのパワー」と。

それからというもの、彼の夢である全米オープン制覇は叶ったのだろうか?

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