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社会に恩返しする世界の変革者たち

ビル・クリントン、マイケル・J・フォックス、モーガン・フリーマンなど、世界の熱心なゴルファーの共通点とは、ゴルフへの情熱があること、社会貢献活動に積極的であることだ。世界で活躍するゴルファーはもちろん、ゴルフを愛するハリウッド俳優、ミュージシャン、実業家、政治家などの社会貢献活動を紹介する。

★マイケル・J・フォックス: 「今は自分が人の為に役立っていると思える。もう1人じゃないから」

この12年間、彼は持病であるパーキンソン病の研究助成活動のために設立した「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」に、約3億ドルもの資金を投じてきた。51歳のフォックスは「パーキンソン病治療以外に我々が行うべきことはない」と理念を語る。映画”バック・トゥ・ザ・フューチャー”でスターとなった彼は、1991年にパーキンソン病を発病。1998年に病気を公表した。発病してからも人を笑わせることが大好きなフォックスは、2000年代中ごろに始めたというゴルフでの経験を思い出すたびに笑いを堪えきれない様子だった。それは、ゴルフアンクルと呼ぶ友人達との出来事。ボールの前で動かず制止するよう言われたという彼は、「ボールの前だって? スープの前でじっとしていられたら、それこそ僕はハッピーさ」とジョークを飛ばした。

                         (◆質問、◎答え 以下同)
◆:発病から20年以上が経過しました。最近の体調は?
◎:最近はおかげさまで体調も良くて、以前よりも仕事を増やしても大丈夫な気がしている。だから”グッドワイフ”、”ラリーのミッドライフ☆クライシス”に出演した。それに講演活動もしているよ。”スピンシティー”、”バック・トゥ・ザ・フューチャー”、”ファミリー・タイズ”に出演して以降の時とは違う形で人と接することが出来るようになったから。

◆:次の出演作は2013年秋にNBCで放送される番組と聞きました。なんでもあなたの半生についてだとか。
◎:きっと僕のキャラクターはゴルファーだろうね。ゴルフがフィーチャーされると思うよ。

◆:ラリーのミッドライフ☆クライシスではラリー・デイヴィッドとのやり取りでパーキンソン病の症状をそのまま見せたシーンが印象的でした。
◎:何らかの障害を持った時には、大きく分けて2つの事に対応しないといけない。自分自身の変化、それに周囲の自分に対する変化。それが“ラリーのミッドライフ☆クライシス”では面白く反映されていた。なんと言うか「自分のことならわかっているし、どうすれば良いかもわかっている。君達のサポートには感謝しているし、もちろん心配だろうと思う。でも僕は大丈夫」という感じかな。僕には素晴らしい家族がいて、最高の人生がある。治療中も自分自身をまずは受け入れた。受け入れるというのは、諦めるということではない。色々な事柄を受け入れて対応するさ。でも、その先には自分の人生があるんだ。

◆:そしてゴルフがあなたの生活で重要なものになった。
◎:子供の頃、たしか5、6歳の頃に父親に連れられてコースに行ったことを覚えている。ただ歩くだけでプレーはしなかった。父親が林にボールを飛ばした時に探す役割だったんだ。誰も入っていかないような茂みに入ったから、野ばらの棘で傷ついたり、虫にもしょっちゅう刺された。

◆:カナダではゴルフではなくラクロスを選択したようですが、それはなぜ?
◎:裕福な家庭環境ではなかったし、十分なお金も無かったから。ホッケーやスキーのためにお金を貯めていたからね。20代になって、ゴルフに対する考え方は同年代の俳優と同じだった。死ぬまでにゴルフをやる時間は十分にあるってね。

◆:それでも始めたわけですよね。
◎:タイガー・ウッズ、それにアニカ・ソレンスタムの存在も大きかった。女子選手として男子ツアーに出場した時は凄いと思ったよ。その時に思ったんだ。ゴルフはリスクを背負う側に相応しいスポーツだとね。

◆:ゴルフを始めたきっかけは?
◎:僕が”ゴルフアンクルズ”と呼んでいる連中のおかげ。ティム・シンプソン、カム・ニーリー、それに友人のテッド・デイビスが、まだ全然まともにプレー出来なかった頃から僕をコースに連れて出てくれた。彼は、僕がグリーンに2オン出来るようになるまで耐えてくれたんだ。その時、妻のトレーシーにこう言った。「ゴルフアンクルズ達がどうやって満足にプレー出来ない自分をゴルフに誘ってくれたのか、ずっと考えているんだ。まったくプレー出来なかったのに。ようやくやれるようになって、今は楽しいよ」と。そうしたら妻はこう言った。「あなたも中毒になってしまったのよ!」とね。

◆:パーキンソン病を抱えていてのプレーは?
◎:自分でも酷いゴルファーだと思うよ(笑)。謙遜しているわけではなくて、今自分がやれていることに感動する。上手くやれないことをするというのは良いこと。今まででベストはアウト46、イン46でハンディキャップは22。友人で、映画アベンジャーズに出演したクラーク・グレッグは、僕がプレーする姿を上手く表現していたよ。まるで地下鉄の車両の間のデッキ部分に立っているような姿らしい。彼は「そんな体勢で220ヤード飛ばすなんて。いったいどうやっているんだよ」と言っていたよ。

◆:18ホール歩いた後の疲労感はどうですか?
◎:疲れるよ。歩くのはかなり体力を使うからね。でも今年の夏はザ・ナショナル(ゴルフリンクス・オブ・アメリカ)でプレーする予定があって、歩く必要があった。18ホールを終えた時は、クラブを持てないくらい疲れていた。

◆:奥さんのトレーシーさん、息子さん、それに3人の娘さん達はプレーするのですか?
◎:ブリティッシュコロンビアのバーナビーというところに、僕の名前にちなんだ劇場があって、彼らが主催するトーナメントがあるんだ。僕は兄と甥っ子とプレーしに行く。前回は息子も来たよ。亡くなった姉は以前一緒にプレーした。母親は82歳だから一緒についてきて、ゴルフカートに乗っているだけ。トーナメントに勝つのが目的ではないから、僕らはただ楽しみながらプレーする。だいたい3.6mくらいのパットの時は母に打たせたんだ。それが6回連続して決めたものだから驚いたさ。皆がグラウンドに倒れた写真があってね。とても愉快だったよ。

◆:ゴルフをよく見ると聞きました。お気に入りの選手は誰ですか?
◎:タイガー! 彼が幼い頃からね。ロリー・マキロイも面白い選手。それにフィル・ミケルソンを見ると自分と照らし合わせてしまう。でも、誰であれ、色々なことを抱えてプレーしているからね。僕は選手のカムバックを見るのが好きでね。22歳で大金を手にして、フェラーリ購入。ガールフレンドもいたるところにいるという生活は理解出来る。かと思えばレストランで夕食を食べるだけの金も無かったりする。大変だし、難しい人生だと思うよ。

◆:財団の活動で最も誇りに思うことは?
◎:パーキンソン病にかかっている人達は、皆揃って目覚めた時にこう思う。「誰がこの病気を治してくれるんだ?」とね。僕らがやってみせる! 僕にとって感動的だったことは、あるパーキンソン病患者が「あなたが病気を公表するまでは自分の病気のことを隠していたんです。でも今では誰かに病気のことを聞かれても『パーキンソン病』と言えるようになりました。『マイケル・J・フォックスの病気と同じ』と説明しています」言ってくれた時。自分が誰かのために役立てていると感じる。もう1人じゃないんだなってね。

◆:グーグル共同創設者のセルゲイ・ブリン氏、それに妻のアン・ウォジツキ氏があなたの活動を支援してくれているそうですね。
◎:セルゲイとアンは惜しみなくサポートしてくれている。彼の家系にはパーキンソン病を引き起こすかもしれない遺伝子があって、この病気との関わりを持っている。セルゲイとアンはチャレンジファンドを立ち上げてくれたんだ。今年の12月31日までに集める寄付金と同額を支援してくれる。先日Nikeがバック・トゥ・ザ・フューチャーIIモデルの限定MAGシューズをe-bayのオークションに出して、400万ドル集った。彼らは同額を寄付してくれて、総額1000万ドル近く集まった。

◆:これを読んでいる読者に出来る支援活動はありますか?
◎:今必要なのは臨床実験を受けてくれる人。パーキンソン病であっても、それに特にパーキンソン病でない人にも協力してもらいたい。40代、もしくは50代の男性で、何か役立つことをしたいと思う人がいるなら、foxtrialfinder.orgで臨床実験に協力してもらいたい。これからは特に40-50代の男性の研究に力を注ぎたいから。

★モーガン・フリーマン: 「もし良い人生を送れているのなら、人の人生の為に尽くすべきと思っている」

10代の頃は重たいゴルフバッグを18ホール担いで運び、1日に1ドルか2ドルしか稼げなかったゴルフキャディーを経験したモーガン・フリーマン。当時の夢は映画俳優になることだった。そしてキャリアを積み、今ではレッドフォード、ニューマン、ハックマン、ホフマン、イーストウッド、ニコルソンらそうそうたる面子と同じ舞台に立ち、オスカー、ゴールデングローブ、そして最近ではエンターテーメント界での功績を称えられ2012セシル・B・デミル賞を受賞。そんな彼の現在の目標は、ゴルフの腕前を上達させること。だが、2008年に起こした自動車事故で負った重傷の後遺症により、左手首から先の感覚が麻痺した為、片腕に頼る他はなくなった。75歳になった今もゴルフの魅力に取りつかれ、ミシシッピーの自宅にいる時にはバイユー・ベンド・カントリークラブでプレーする日々を送る。自宅ではゴルフチャンネル、ツアー中継の観戦三昧。普段はインタビューや写真撮影は好みのタイプの仕事ではないというが、今回のインタビューについては「与えられた仕事」というムードだったようで、愛車BMW7シリーズを駆り、90分かけてわずか数時間のインタビューのためにメンフィスにまで足を運んでくれた。到着後も「まったく問題ない」と上機嫌で、インタビューは始まった。

                         (◆質問、◎答え 以下同)
◆:75歳にして現役バリバリで仕事をこなしているようですが、最近のプロジェクトは何でした?
◎:今年は3本の映画に出演した。1つは“Now You See Me,”という作品で、マジシャンが銀行から金を消すという面白い話。それにトム・クルーズと共演した“Oblivion,”という作品は未来的な話のSF。最近撮影したのは“Olympus Has Fallen,”という作品で、ホワイトハウスを乗っ取るという話のアクションアドベンチャー大作だ。もうじき撮影が終了する“Last Vegas.”という作品ではマイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、ケヴィン・クラインと共演していて、我々4人が幼い頃からの親友で、バチェラーパーティー(新郎が独身最後の夜に同性の友人達と一緒に過ごすパーティー)のためにベガスに向かうという物語なんだ。

◆:“神様の役”(ネルソン)マンデラの役”、それにゴルフをプレーする”で大変なのは?
◎:神様役が一番簡単だね。マンデラの役も極めてやりやすかった。ゴルフだけは本当に大変だよ。

◆:それだけ多忙なスケジュールで、どのくらいゴルフに時間を割けているんですか?
◎:今年は20から25ラウンドくらいプレーしたかな。映画の撮影中はゴルフをプレーする時間は多く取れる。自分が出演しないシーンの撮影をしている時はオフだからね。そういう日は全てゴルフの日になる。どの街にいても休みの日にはゴルフコースに出かけていくよ。この間はニューオーリンズで撮影していて、オフの日は毎日ゴルフをしていたくらいだから。

◆:共演者とゴルフに行くことはあります?例えばクルーズ、もしくは”最高の人生の見つけ方”で共演したニコルソンなど?
◎:彼らとプレーしたことはないね。いつもは私の代役とプレーしている。彼はゴルフ歴が長いから。それに運転手もゴルフ好きでね。コースに行けばプレー相手を探している人も多いし。息子とは南カリフォルニアで頻繁にプレーしているよ。トーランス近くのパブリックコースでね。あとはサンディエゴのトーリー・パインズ、それにアリゾナのセブン・キャニオンズでのプレーは楽しかった。

◆:今は片手でプレーしているですよね?
◎:その通りで、右手だけでプレーしているんだ。4年前に酷い交通事故を起こしてしまって。事故原因は全くわからないんだ。突然意識をなくしたのか、寝てしまったのか。とにかく高速道路から出た途端に車が横転して、何度も転がった。左半身の損傷が酷くて、結果的に左手が不随になってしまった。

◆:それでもゴルフをプレーしているんですね。
◎:両手を使えていた時より腕が落ちたと感じることはないよ(笑)。一緒にプレーしている連中のように240、260ヤード飛ばすことは出来ないけれど、楽しくプレー出来ているから。

◆:周りにはモーガン・フリーマンがゴルフ好きと知っている人は? またいつからゴルフ好きになったのですか?
◎:13、4歳の頃にミシシッピーのグリーンウッドでキャディーをやっていたけれど、当時はプレーに関心はなかった。実際プレーを始めたのはここ10-12年くらい前から。タイガー・ウッズが世に出始めてからだね。

◆:今年はじめにマイケル・ダグラスや友人達とPlan!t Now Foundationと立ち上げたのは、ゴルフを通じて社会貢献する一例だと思います。その他に行っている活動はありますか?
◎:私はそこまで言われるほど社会貢献する気持ちはないんだが、もし良い人生を送れているのなら、人の人生の為に尽くすべきと思っている。私のスタンスはそこにある。チャリティトーナメントでゴルフをプレーするのは最も簡単な方法で、自分にとっても喜ばしい方法。それを自分で”貢献”と呼んでいるよ。

◆:あなた自身の財団はあるのですか?
◎:ロックリバー・ファウンデーションという名前の財団を立ち上げた。社会に出た当時は、特定の人種だけに限られた学校で良い教育を受けられたと思っていた。でも今になって振り返ってみると、この国で最悪の教育システムということに気がついた。だからこそ何か行動を起こすべきと考えた。その為の財団さ。

◆:ゴルフコースで経験した最高の瞬間を教えてください。
◎:それならソーグラスの17番と18番をパーで終えられた時だね。たまたまビジェイ・シンがやってきて「ファンなんです」とかなんとか言って話しかけてきたから、一緒に回ることにしたんだ。彼は私のスイングを見てくれて、それが上手くいったんだよ!17番ではグリーンに乗ったしね。18番ではドライバーが良くて、アプローチも決まった。それでパーを取ったんだ。

◆:では最も恥ずかしい体験を教えてください。
◎:それは今年1月のヒュマナ・チャレンジかな。初日は全くボールにクラブが当たらなかったんだ。ダフりかトップばかり。酷く嫌な経験だったよ。

◆:ヒステリーを起こしました?
◎:当然だよ!

◆:言うまでもなく片腕でプレーしたわけですよね。同じ機会があれば、また人前でプレーしますか?
◎:そうだね。その大会は腕前よりもチャリティーが重要なテーマだから。私だって人前で良い感じにプレーしたいけれど、それが本筋の大会ではないから。

◆:テレビはゴルフ番組ばかり見て、試合でも相当ゴルフ漬けになるそうですね。そして今はレベルアップしたいと仰る。何故そこまでゴルフを好きになったのでしょう?
◎:この年齢になって出来るスポーツがゴルフしかないからだね。昔はフットボールやローラースケートもやったけれど、何十年も昔のこと。ゴルフなら死ぬまでやれる。最後に何かに燃えて、それで冷めていく。私はそれで良いと思っているから。

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