合言葉はランチ!至福のゴルフと至福の食事[東筑波カントリークラブ]

写真:落合隆仁(グラン)
文:Lisa Okuma(リサオ)
取材協力:東筑波カントリークラブ

01/ホテルオークラから学んだレシピ

むかしむかしの江戸時代、傷薬として知られた「ガマの油」という軟膏がありました。ガマとはガマガエル。諸説あるなか、ガマを鏡張りの箱に閉じ込めるとビックリしてタラーリタラリとあぶら汗を流す、その油を薬にしたというお話が有名で、今ではワセリンを主成分に筑波山名物として販売されています。

その筑波山を臨む東筑波カントリークラブ、なので、ロゴマークはかわいいカエル。ピンフラッグにもドアの取っ手にも箸袋にまでカエルがいて、洒落っ気と茶目っ気が抜群です。

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1976年開場の東筑波カントリークラブは、27ホールを有する丘陵林間コースで、過去に関東プロゴルフ選手権やダイワインターナショナルも開催された戦略性の高いゴルフ場です。北、中、南の3コースはそれぞれ趣も難易度も異なり、上級者だけでなく、技術を磨きたい初心者でも楽しめるようになっています。私も大好きで初心者の頃から何度もまわっていますがスコアメイクは難しく、毎回リベンジを誓って帰ることになります。でも、「もういやだ難しい」ってどんよりするコースではありません。各ホールに特徴があり、ひとつとして同じ印象のものがないので、純粋に楽しいと思えるのです。

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料金もリーズナブル、すべて昼食代込み。また、追加ハーフ無料のプラン、充実のパウダールームなど、ゴルフが好きすぎる人はもちろん、若者や女性にも気軽に来てもらおうという工夫が随所にみられます。特に、女性へのサービスは尋常ではありません。平日は受付時に6枚のクーポン券を渡されます。その内訳は、練習場ボール1カゴ、モーニングコーヒー、昼食時1ドリンク(アルコールOK)、売店2ドリンク(前後半)、プレー後レストランでスイーツとコーヒー。このときばかりは女性に生まれたことに感謝です。

このようにサービス精神に満ち満ちた東筑波カントリークラブが、ゴルフが好きすぎる人にも食べ盛りの若者にも女性にも、さらにゴルフはそんなでもないけど食べることが大好きな人、あるいは偏食の人にまで愛され選ばれる最大の理由、それは「料理」。

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通常、ゴルフ場について友達に尋ねられるのは「叩いた?」「難しかったでしょ」「グリーン速いよね」など、スコアやコースそのものについて。たまに「シカ出てこなかった?」や「カワセミがいるらしいよ」といった、生き物情報を求められることもあります。

でも「東筑波カントリークラブ」への反応だけは全然違う。真っ先に聞かれること、それは「ランチなに食べた?」です。

ゴルフ場のランチメニューって、いつもは選びたいものがなさすぎて選ぶのが大変。でも、選びたいものがありすぎると選ぶのはもっと大変なんだって、ここに来れば実感できます。

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なかでもオススメはマーボー豆腐定食。キリっとやさしい味わいに幸せな気持ちになること間違いなし。そのほか、ガッツリいきたい人にはステーキ150gと季節の天ぷらのセット、その名もパワーランチ。また、2日間煮込んだスープが決め手のとんこつラーメン、カツオの刺身とすき焼き定食、板前歴30年のベテラン職人が握る特上にぎり寿司など、日本人のハートを真っ正面から撃ち抜くメニューが並んでいます。

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人気メニューのマーボー豆腐定食は、東京で一番美味しいといわれるホテルオークラ「桃花林」のレシピをアレンジしたものだ。長年の付き合いがあったからこそ教わることができた門外不出のレシピ。料理長がゴルフに来たついでに厨房に入って教えてもらったものをカタチにするのに2年の歳月を要した。「豆腐は国産のもの、今は大粒大豆、里のほほえみを使っています。米は茨城産のこしひかり。それ一筋です」。山椒はそれぞれの好みで足せるように別の容器に入れて供している。辛いのが苦手な人への心配りだ。

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料理の味を左右するのは塩加減。でもスタッフ全員が同じ塩加減にできるわけではない。「塩は難しいんです。塩振り三年って言うぐらいですから。たとえば豆腐に塩味をつけるとき、上から塩を振ったんでは塩加減のバラツキが出てしまう。でもガラスープに塩味をつけておいて、そこに豆腐を入れれば塩味は一定になります。誰がやっても同じ味になる」と料理長の高山正名氏。自分の経験や感覚を後輩たちに伝える努力も惜しまない。自身の修行中には職人気質の料理人たちから技を盗まなければならなかったに違いないのに。「最近やっとマーボー豆腐の決め手がわかったんですよ」。大量に何食分も作るなかで、どうやったら一食ずつ同じ旨みを出せるのか。「モトダレの上澄みの油をとっておくんです。それを小分けして冷凍保存しておいて、最後の隠し味として入れるんです」

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料理長は尋ねられるままレシピも食材も全部教えてくれる。話を聞くだけで料理の腕が上がった気がして役得だったけど、そんなにオープンに教えてしまっていいんだろうか。「絶対に真似できないって自信があるからレシピはガラス張り。コストが違うし経験も違う。他のゴルフ場も見に来るけどね、真似できませんから」

それはたゆまぬ努力からくる自信だ。今でも東京に行くと必ずデパートに寄っていろいろ見てまわる。流行っているものは現地まで食べに行って研究する。人気のとんこつラーメンにしても何十軒もお店をまわり、ネットを駆使して最適な食材を求め、試行錯誤を繰り返してやっとできたものだ。麺は北海道から取り寄せている。「2日かけて作るとんこつスープは東京に出しても恥ずかしくない出来です」。味だけではない。「温かい料理に冷たい食器なんてあり得ない」と、ラーメンを入れる器はもちろんレンゲまで事前に温めておく。「あとね、とんこつラーメン頼んだお客様には口直しにジャスミン茶を出してます」と、細やかな気配りも忘れない。

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「大衆料理だからこそ難しいんです。たとえば伊勢海老のテルミドール(グラタン)なんて一般家庭で食べませんから本当に美味しいかどうかはわからない。でもみんなが普段食べ慣れている大衆的な料理はそれがわかってしまう。真剣に取り組まないと美味しいとは思ってもらえません。食材はもちろん、季節感のあるメニュー構成や、盛りつけも大事です。また、手間をかけたからといって料理を出すのが遅くなったら本末転倒です。休憩時間は40分そこそこ、オーダーを受けてから10分で出さなければなりません。そう考えると、ホテルにいたときよりずっとシビアですね。そもそもホテルでは分担制でしたし」

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ここでは誰になにがあっても常に同じものが出せるようにレシピを共有し、全員がオールマイティに作れるようにしている。「もうね、職人気質は時代にあわない。チームワークが大事です。プライドは悪いことじゃないけど、あくまでも主役はお客様。こだわりはあるけれど、頑固はダメ、柔軟でなくちゃね」

情熱的で活力に満ちた料理長の若さの源は「学びつづけること」。「日々勉強で年を取るヒマがない。ボケなくていいけどね(笑)」ネットの時代は口コミが大事だからと、みずから毎日チェックして参考にしている。新しいメニューの開発にも余念がない。「四国で流行ってる山椒のパスタはどうかな」。季節のメニューとして出てくるかも?楽しみです。

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