COURSE NAVI一度は訪れる価値のある感動のコースをピックアップ

COURSE NAVI : 2014/05/27
隠れた日本の名コース 北海道・後編
ゴルフ発祥の地といわれるスコットランドのリンクスコースは、雑草と低木、海から吹きつける風でできた起伏で作られている。人間の手がほとんど加えられていないことから、セント・アンドリュースなどは“神が創ったコース”と呼ばれているが、北海道にもそんな雰囲気を味わえるコースが存在する。プレーヤー目線でコースを見る目は誰にも負けないと自負する営業マンが、ゴルファーにあまり知られていない名コースを紹介していく。北海道後編ではスコットランドを彷彿させる2つのコースを紹介。
800コースを制覇したGDO営業第1号 江ケ崎忠晴
PROFILE
江ケ崎忠晴(えがさきだだはる)48歳
留学期間中にゴルフをしたことをきっかけにコース撮影、記録集めが趣味になり、ゴルフ場制覇に目覚める。2001年、ゴルフ場営業の第1号としてゴルフダイジェスト・オンラインに入社。これまで名古屋、大阪、福岡などの営業所に赴任し、全国のゴルフ場に足を運んでいる。現在は800コースを制覇。現職、ゴルフ場ビジネスユニット東日本営業部シニアコンサルタント。
江ケ崎忠晴の目
「小樽カントリー倶楽部 旧コースはゴルフの原点を感じさせてくれます」
「1928年、札幌と小樽の中間に位置する銭函海岸に3ホールのゴルフ場、小樽CC旧コースが誕生しました。現在は9ホールのコースとなり、レイアウトも変わっているそうですが、うねるフェアウェイ、雑草、海風が作りだしている手つかずの雰囲気は今でも残っており、まるでアイルランドやスコットランドのリンクスのようです。ここでプレーした時、生まれて初めてどこにボールを打っていけばよいのか迷いました。こんなシチュエーションでゴルフをすることでイマジネーションが鍛えられていくのかもしれません」
日本で8番目に古い道内最古のゴルフコース
男子トーナメント「サン・クロレラクラシック」の舞台としても有名な小樽CCだが、運河を隔てた向こうに旧コースがあることはあまり知られていない。道内最古のゴルフ場で日本に現存するコースとしては8番目の歴史がある。最初に設計したのは佐藤棟造。北海道で最初にゴルフをしたとされる人物だ。もともと牧場があった銭函海岸の土地に地主の許可をもらって造営したそうだ。
周囲の環境、景色にほれ込み銭函海岸にコースを設計
銭函は日本海側の対馬対流に洗われる海岸。天候に恵まれているため、積雪が遅いのが特徴だ。初めてこの地を訪れた佐藤は、石狩平野の遠望、手稲、春香連山の眺望、そして牛の群れの風情を気に入り銭函にコースを作ろうと決意した。1928年4月、3ホールでスタート。1か月後に6ホール、その年の9月には9ホールとなったが、設計した本人も「練習場」と語るように、当初はコースというよりも練習をする場所、道内の人間にゴルフと触れ合ってもらうという意識が強かったようだ。