コース日本では中々知ることのできない、海外ゴルフコース事情が盛りだくさん

「ミュアフィールドの素晴らしいクオリティ
BY JOHN BARTON

世界でもトップ10に入るゴルフコース、“ミュアフィールド”での全英オープンが開幕!

今年の全英オープンが16回目となるミュアフィールドでは、3ホールを除き手が加えられた。設計したのは祖父の時代からファミリーコースの設計を行う会社を経営しているというイギリス人設計者のマーティン・ホーツリー。バックティーを8ヵ所追加し、コース全体の距離を7192ヤードまでに拡張したという。英国出身のゴルフジャーナリスト、ジョンバートンが今年のミュアフィールドを解説する。

食の誘惑を邪魔するもの

10年前、ミュアフィールドの秘書官としての初日を迎えたアラステア・ブラウンに、あるメンバーが静かに近づきアドバイスを送った。「覚えておけ。君はゴルフクラブの秘書官ではない。君はランチクラブの秘書官で、そこにゴルフが付いてくるだけということを」と。

ザ・オナラブル・カンパニー・オブ・エジンバラ・ゴルファーズのおよそ700名近くのメンバーはプレーしない。約125名だけが定期的にゴルフに興じる。リンクスを使用するメンバーに求められる行動は、元気よくプレーすること。他は、より飲食に多くの時間を費やしているということだ。クラブハウスでの食へと誘い出す誘惑を邪魔するもの、例えばスイング練習、間に合わせのボール打ち、パッティングラインの読み、スコアカードの記入、その他女性らとのいちゃつきは、気分を害する行為、そして不名誉な行為として見られる。


プレーが遅くて、食事の時間が短ければ、人生はつまらないものになる。

ブラウンの前任者がミュアフィールドで過ごした典型的なスケジュールは、”2時間半、2時間半、2時間半”と形容することが出来る。最初の2時間半は1回目の18ホール、次の2時間半は昼食、そして最後の2時間半は2回目の18ホール。プレーが遅くて、食事の時間が短ければ、人生はつまらないものになる。

ミュアフィールドのルーツを紐解いてみれば、19番ホールが最も重要な伝統。このコースは5ホールの”リースリンクス”にあったパブの常連客によって作られた。昔ながらの自尊心に溢れ、ゴルフで健康管理をしていた紳士もメンバーに入っていたクラブは、公式的には1744年3月7日に設立されたとなっている。そして設立以降、メンバー同士の会合は今も続いている。ロイヤルブラックヒース(1608)、ロイヤルバージェス(1735)らの主張はあるものの、ザ・オナラブル・カンパニーは自らを世界最古のゴルフクラブと見ている。

かつてのルールでは13もの約束事が定められていた

リースリンクスでは16世紀からゴルフがプレーされており、あのキング・チャールズ1世も定期的にプレーしていたというが、コンディションは常に良好だったとは限らなかった。クラブのルールが制定されたのは1744年が初めてで、その10年後にR&Aが設立された後に改定された。かつてのルールでは13もの約束事が定められ、ボールがぬかるみ、障害物、そして人、馬、犬などによって止まった場合の対応方法が決められていたという。1836年、クラブはコースをマッセルバーグに移転させ、そこで全英オープンを6度開催。クラブは徐々に人気が出始め、4、5クラブがコースをシェアするまでになった。そこで1891年、ザ・カンパニーはエジンバラから約19km離れた場所に移動。ボギーが多く、石壁で境界を仕切っていたコースをトム・モリスの設計で生まれ変わらせ、1891年5月2日に16ホールのコースとして再オープン。翌年には全英オープンを開催したが、出場した多くの選手達から短すぎる(5203ヤード)、簡単過ぎる、やる気が起きないなどの批判を受けた。

16回目の全英OP

そうした意見を受け、全英オープン開催を継続する為、コースの難易度を高め、微調整を実行。今年の7月18日から21日までのオープン開催地ともなっており、進化した現代のゴルフにも対応が可能なコースとなった。1891年当時から残るホールはオールドサード。今は2番ホールとなっているホールのみだ。

今年のオープンが16回目となるミュアフィールドでは3ホールを除き手が加えられた。設計したのは祖父の時代からファミリーコースの設計を行う会社を経営しているというイギリス人設計者のマーティン・ホーツリー。ホーツリー(昨年冬にセント・アンドリュースのオールドコースに手を加えて批判された人物)はバックティーを8ヵ所追加し、コース全体の距離を7192ヤードまでに拡張(2002年時よりも158ヤード増)。更に彼自身が設計した8つのホールではグリーンサイドのバンカーを移動、或いはグリーンに近い位置にまで拡張を施した。そして数ホールのグリーンを1922年にハリー・コルツがデザインした当時の広さにまで拡張した。

ミュアフィールドはもっともフェアなコース

様々な観点から見ても、ミュアフィールドは世界でもトップ10に入るゴルフコースと呼ばれている。その理由はコルツが1922年に設定したコースを回る手順にある。アウトでは時計回り、そしてインでは反時計回りとしたことにより、ゴルファーには風向きに適したショットが要求される。グリーンは、サルバドール・ダリが描いた絵として有名な溶けた時計になぞらえられるほどに美しい。最高のアプローチショットを打ったとしても、エッジからボールがこぼれ落ち、撃退される。ミュアフィールドの難易度は高いと言われているものの、何よりも優先されるべき事柄として、このコースはもっともフェアと言われている点を挙げておきたい。このコースには意地の悪いホールは一切ない。ブラインドショットが要求される(11番では尾根でコース全貌が見えない)のは1ホール。1966年にはハーバート・ウォーレン・ウィンドが次のように記している。「ミュアフィールドの素晴らしい点は包み隠しの無いところ。誠実な点だ。バンカーも全て見えるし、難易度が高過ぎて癇癪を起こすような箇所も、プレーヤーを迷わせる気まぐれな箇所も見当たらない。全てのハザードが目で確認出来るからだ」。


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