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ドラコン、ニアピン、パーオン!

和製英語は立派な日本語じゃー!

「ここはショートホール?」「あ、ダフった」「ドラコンおめでとう!」などなど、いま例にあげた文章のカタカナ部分、すべて和製英語である。実はゴルフは和製英語の宝庫といってもよい程たくさんあり、もはや立派な日本語。とはいいつつも、英語だと思い込んで海外でも使っていたらちょっと危険!? ということで知っておいて損はない、和製英語の実態を紹介しよう。

なつかしい!「英語禁止ホール」が面白かった

数(十)年前、某テレビ局の正月特番で、大物お笑いタレントBIG3がゴルフをし、途中「英語禁止ホール」というものを設けていたのを覚えているだろうか。文字通り、英語を話してはいけないルールで、例えば「バンカーに入った」という場合は「砂場に入った」とか、5番アイアンは「5番鉄」、「オッケー」は「よし!」など無理矢理日本語にするだけなのだが、これが非常に面白い。司会者が「いま持っているのは何ですか?」という誘導にあっさりと「ドライバー」と答えてしまい、ペナルティが課せられ、「1番の木」と言い換える…というような繰り返しに、子供ながらに腹を抱えて笑った記憶がある。

英語だと信じて、使用していることが一番ヤバイ!?

ひとつの番組コーナーになるくらい、実に多くの和製英語(カタカナ英語)がゴルフでは使われている。いや、ゴルフだけではない。日頃から我々は無意識に和製英語を使っており、それはもう日本語そのものと言っていいはずだ。「日本語禁止ホール」が面白かったのは、いつもは無意識なカタカナ英語を強引に日本語に置き換え、その置き換えのセンスが面白かったわけで、正しい英語での言い方はもはやどうでもよかった。「ナイスショット」を「ええ球や?」と叫ぶことが面白かったわけで、「ナイスショット」が実は和製英語で、ネイティブには意味通じませんよ! と言われたところで、「だからどうした?」 となる。え? ナイスショットって、和製英語なの? と思った方へ。はい、そうです、ナイスショットは和製英語です。
英語ではナイスショットとは言わず、「Good shot(グッショット)」。でも、同伴者が素晴らしいショットをしたというシチュエーションで、「Nice」な「shot」を打ったね! という意味が相手に伝わればよいではないか!と思うのである。英語的には間違っていたとしても、外国人は「意味わからない」という顔を本当にするのだろうか、とも思う。であるのだが……「え? これ英語だよね」と信じて使うのと、「和製英語なんだよねー、本当は」と知っていて使用するのとではちょっと風向きが違ってくるのも正直なところだ。

まさかあの言葉も? 和製英語の特長

我々が日頃何気なく使っている和製英語には、ある特長があった。まるで名詞のような「短縮タイプ」、とりあえず「つなげただけタイプ」、いじらしい「独創的タイプ」、と3つに分類することができる(※あくまでも筆者の勝手な解釈です)。

●短縮タイプは、「エアコン」「インフラ」「エキス」「セレブ」「パトカー」「アパート」などがある。( →英語ではこういいます)
①「エアコン」→ air conditioner(エアー コンディショナー) 
②「インフラ」→ infrastructure(インフラストラクチャー)
③「エキス」→ extract(エキストラクト)
④「セレブ」→ celebrity(セレブリティ)
⑤「パトカー」→ patrol car(パトロール カー)
⑥「アパート」→ apartment(アパートメント)
*①はとても有名な和製英語。②はインフラだけだと「下に」という表現になってしまう。③抽出物というエキストラクトの頭文字だけを取った言葉。④本来セレブリティとは著名人のことを指しており、金持ちや贅沢という意味はない。⑤もしもの時に覚えておきたい。パトカーでは通じない。パトロールと全部言おう。

●つなげただけタイプは、「オープンカー」「ジェットコースター」「イメージダウン」「アフターサービス」「オーダーメイド」「ガードマン」など。
①「オープンカー」 → convertible(コンバーチブル)
②「ジェットコースター」→ roller coaster(ローラーコースター)
③「イメージダウン」→ damage one’s image(ダメージ ワンズ イメージ)
④「アフターサービス」→ costomer service(カスタマーサービス)
⑤「オーダーメイド」→ custom made(カスタムメイド)
⑥「ガードマン」→ security guard(セキュリティガード)
* ①屋根がない=オープン というのが語源だったのか? 残念ながらオープンカーでは通じないそうだ。②雰囲気はあるのだが、これもNG。チョー速い!=ジェットと表現したのが誤りだった。③イメージ+ダウン 印象悪い と表現しているのは痛いほど理解できるがきっと伝わらない。④直訳は「後でサービス」間違ってはいないような気もする。⑤最近ではbespoke(ビスポーク)が主流になりつつある。⑥○○する人=マンと表現することが和製英語では多々ある。


●独創的タイプは、「OB(オービー)」「OL(オーエル)」「バイキング」「フリーダイヤル」「ハンドル」など。
①「OB(オービー)」 → a graduate(ア グラデュエイト)
②「オーエル」→ an office worker (ア オフィス ワーカー)
③「バイキング」→ buffet(バフェ)
④「フリーダイヤル」→ toll free number(トールフリーナンバー)
⑤「ハンドル」→ steering wheel(ステアリングホイール)
⑥「ゴールデンウィーク」→ holiday (ホリディ)
*①オールドボーイを略してO.B.これこそ完璧な和製英語。②オフィスレディでもNG。英語では職種を言うのが一般的。③東京のホテルで初めて「食べ放題」のレストラン名をバイキングとつけたのが語源らしい。ほれぼれするほどの和製英語だ。④フリーダイヤルはNTTのサービス名。⑤ハンドルは取ってという意味。⑥語源は日本の映画会社の宣伝用語だったとか。

ゴルフのときだけバイリンガル!?
もはや日本語だけど、ゴルフ和製英語ってこんなにある。

ゴルフでよく使う和製英語を集めてみた。しかし、これはほんの一部に過ぎない。もしも外国人とプレーするときがあるならば、ぜひその違いを確かめてほしい。

①「ドラコン」→ the longest drive(ザ ロンゲスト ドライブ)
②「ニアピン」→ closest to the pin(クローセストトゥザピン)
③「パーオン」→ green in regulation (グリーンインレギュレーション)
④「ショートホール・ミドルホール・ロングホール」
→par 3, par4, par5(パースリー、パーフォー、パーファイブ)
⑤「ダフる」→fat shot(ファットショット)
⑥「トップする」→thin shot(ショット)
⑦「シングルプレーヤー」→ low handicap player (ローハンディキャップ プレイヤー)
⑧「オーバードライブ」→ out drive(アウトドライブ)
⑨「グリーンフォーク」→ divot tool(ディボット ツール)
⑩「ファー!」→fore (フォアー)


* ①「もっとも飛ばした」という表現はlongest drive(ロンゲストドライブ)となる。ドラコンとは、driving contest(ドライビングコンテスト)を短縮した呼び名。②近い(near)とピンを合わせてニアピンと言いやすくしてしまったと思われる。③ゴルフチャンネルなどでGIR○%とあるのは、パーオン率のこと。④とくにミドルホールは通じない……。⑤「ダフった」はI hit fat.と言えばいい。⑥上を叩いた=topでわかりやすいが和製英語。⑦シングルプレーヤーだと「独身です」になってしまう。⑧オーバーではなく、本来はアウトが正しい。⑨実際に筆者は米国のコースで「May I have a green fork?」と言ったがまったく通じなかった。⑩ファーと勘違いしている人がたまにいるが、正しくはfore(フォアー)。前方という意味。とにかく大きな声を出すことが重要!

まだまだあった!
身近な言葉も実は和製英語

ラウンド中の会話などにも出てくるような和製英語を集めてみた。なぜ英語のままで入ってこなかったのか不思議な気がするが、日本人がより理解しやすいように、変化をして和製英語が生まれたのがよくわかる。

①「ハイソックス」→ Knee-high socks(ニーハイソックス)
②「ペットボトル」→ plastic bottle(プラスチックボトル)
③「リベンジ」→ retry(リトライ)
④「キャッシュカード」→ bank card(バンクカード)
⑤「ジャンパー」→ jacket(ジェケット)
⑥「バトンタッチ」→ baton pass(バトンパス)
⑦「マイペース」→ at one’s own pace(ワンス オウン ペース)
⑧「マンツーマン」→ one to one(ワン トゥー ワン)

* ①knee-highsとは膝下まである長めの靴下という意味。日本ではニーハイというと膝上丈を想像するが、その場合は「オーバー ニー」が正しい表記となる。②polyethylene terephthalate (ポリエチレン テレフタラート)のPとEとTの頭文字をとってつなげたのがペットとなった。③リベンジ=強い復讐や報復という意味になる。前回ひどいスコアを出したコースをもう再挑戦するという場合なら、“リトライ”くらいの表現は実は適切。④バンク=銀行のこと。⑤ジャンプする人ではない。⑥バトンをタッチするイメージからきた造語だとか。⑦ゴーイングマイウェイでも可。⑧一対一という表現の場合は、one to oneが正しい表記となる。man to man(マンツーマン)は、男同士で腹を割って対話するという表現になる。


まったくの余談だが、筆者がとある中華料理屋で「冷やし中華」を注文した際に、中国人ウェイトレスに「イッショ ギョーザ タベルカ!」と聞かれたことがあった。本来の日本語であれば「よろしければ、ご一緒に餃子もいかがですか?」となるところだが、日本語特有の余計な表現をすべてすっ飛ばし、“追加注文をとる”ことに注力するあまり命令口調になってしまった。とはいえ、その短い言葉の中に、彼女の必死さや責任感などが感じられ、さらに客に「タベルカ!」とツメてくる感じが実に新鮮で、思わず笑ってしまい「では一皿お願いします」とオーダーしてしまったことがあった。
和製英語とは関係がない話だが、正しい言葉で何かを伝えるのはごもっともなことなのだが、単に正しく表現することよりも大事なのは、伝えたい気持ちに言葉が乗っていれば、たいていのことは理解できるのではないだろうか。正しいか正しくないかに萎縮しダンマリするくらいなら、多少間違っていてもとにかく話してみることが何よりも重要なのである。和製英語は日本語なのだから……。

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