今再びの沖縄ゴルフ 愛され続けるその魅力 [琉球ゴルフ倶楽部&芭蕉布コース(沖縄県)]

写真:相田克己
文:出島正登
取材協力:琉球ゴルフ倶楽部、芭蕉布コース

01 これぞリンクス。芭蕉布コースを知っているか!?

日本を代表するリゾートであり、食に文化に多くの人を魅了し続ける沖縄。
今回は2泊3日で沖縄ゴルフを満喫するという予定を立てた。沖縄にゴルフに行くなら最低でも2ラウンド、できれば3ラウンドはしたいと思うが、ゴルフ以外の沖縄も楽しみたいと考えるのが人の性。そこで最初のラウンドに選んだのは芭蕉布コースだ。2015年4月にオープンしたばかりのパブリックコースでパーは58。「なんだショートコースか」と思わないでもらいたい。パー3を中心としたレイアウトだが、400ヤード近いパー4もあり、ティショットで豪快に飛ばす醍醐味も味わえる。
芭蕉布とは「イトバショウ」という植物から採取した繊維を使って織られた沖縄地方の特産品。俳句で夏の季語に使われることもあり、沖縄の人にとっては馴染み深い存在だ。薄く繊細な芭蕉布の名を冠にした今最も沖縄で注目されるコースを体感した。

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02 “沖縄に着いたらまず芭蕉布”これからの沖縄ゴルフのキーワードになるかも

何故まず芭蕉布コースを選んだのか。芭蕉布コースがあるのは沖縄本島。地図上では那覇空港から南東方面に下った南城市にある。パブリックということもあり、朝早い便で羽田を出て、昼前に那覇空港に到着すれば、午後からでも十分18ホールを楽しむことができるのだ。
クラブハウスに到着してまず圧倒されるのがその景色。初めて沖縄ゴルフを経験する人は、どうしても海沿いのリゾート感溢れるコースを想像するだろう。海を感じることのできるコースという意味では、この芭蕉布コースは沖縄随一と言っても過言ではない。もっとも高い位置にあるクラブハウスから海に向かってコースは広がっている。まだオープンしたてで木々が小さいということもあるが、海が視野いっぱいに広がる絶景を見れば、否応なくテンションが上がること間違いなし。沖縄らしいゴルフコースの風景がそこには広がっている。

03 たった65ヤードのパー3でパーが獲れない理由

芭蕉布コースの名物ホールの1つが13番パー3。距離はたったの65ヤードだが、芭蕉布コースの名物とも言える風が吹くと、瞬く間に難度が上がる。もちろん風が吹いて難しくなるのはこのホールに限ったことではないが、「たった65ヤード」という感覚があるだけに、ここでパーが獲れなかった時のショックは大きい。ラウンドした当日もかなりの強風で、13番ホールのティグランドに立った時は、風は右から左への横風でやや向かい風。通常ならウェッジでコントロールショットしたいところだが、上に上がるとどこまで流されるかわからない。そこで手にしたのはピッチングウェッジ。少し右に出して、抑えめに打てればと考えたのだが、結果は風に流されてグリーン左奥へ外れてしまった。寄せにも失敗して、あっさりボギー。風があれば尚更だが、このコースは見た目以上に頭を使わなければ、容易に良いスコアは出せない。

04 沖縄でゴルフデビュー 芭蕉布コースはビギナーの登竜門となる

コースへ到着した時は曇り空が広がり、この時期の沖縄にしては肌寒い感じ。それでも、昼過ぎになるとプレーヤーがどんどん到着してスタートして行く。クラブハウスは簡易的なスタイルだが、レストランもありシャワーを使うこともできる。自分でバッグを車から降ろし、帰りも自分で積み込むスタイルだが、その気軽さも沖縄っぽい雰囲気を味わえる部分だ。距離が短いというだけでなく、このコースにはゴルフ特有の敷居の高さが全くない。若年層のゴルフ離れや、始めても長く続かないというのはゴルフ業界の大きな課題だが、芭蕉布コースならそんな難問を克服できるのではないかと感じさせる。コース自体は上級者も十分楽しめるスペックだが、距離が短く、広く開けたホールが多いので、ビギナーには最適。そして何と言っても気持ちが良い。うまく打てずにただただ走り回っているだけではつまらないが、ここにはそれを払拭させてくれる景色がある。この気持ち良さを感じれば、必ずまた沖縄のコースに訪れたくなるだろう。

05 知名度はまだまだ低いがコースコンディションは名門レベル!

まず、芝のコンディションは最高に良い。そして何よりも特筆したいのが良質なグリーンだ。沖縄特有の高麗芝だが、その転がりは滑らか。もちろんベントとは異種の転がり方だが、想像以上の転がりの良さに驚かされた。それもそのはずで、この芭蕉布コースは隣接している琉球ゴルフ倶楽部の姉妹コースなのだ。琉球ゴルフ倶楽部といえば国内女子ツアーの開幕戦となる「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」の舞台として有名。その名門のノウハウを注入されたパブリックコースなだけに、クオリティの高さは当然と言うよりは必然なのだ。
もともと木々が茂った山だった土地を、スタッフも含めて開墾し、芝つけも行ったとのこと。だからこそ、スタッフの思い入れも強く、芭蕉布コースにはどこかアットホームな雰囲気が漂っている。沖縄に来たら必ず外せないコースに出会うことができた。

06 生涯に一度はラウンドしてみたい 沖縄には琉球ゴルフ倶楽部がある

2日目にラウンドしたのが、芭蕉布コースの姉妹コースとなる琉球ゴルフ倶楽部。前述した通り、国内女子ツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」の舞台であり、沖縄県内のゴルファーにとっても憧れのコースとなっている。
琉球ゴルフ倶楽部には西コース、東コース、南コースの計27ホールがあり、トーナメントでは西コースと東コースが使用されている。今回は、あまり知られていない南コースをラウンドすることにした。琉球ゴルフ倶楽部は何度も訪れたことがあるが、南コースはプレーするのも見るのも今回が初めて。テレビでトーナメントを見ている人の多くがおそらく驚くであろう景色がそこには広がっていた。
西コースと東コースは内陸側にあり、海は近いものの海が見えたり、海を感じられるといったレイアウトではない。逆にトーナメントで使用されていない南コースは海側にあり、アップダウンは西と東に比べると多少あるものの、海を見渡せるホールが多くある。ややトリッキーに感じるかもしれないが、個人的には西、東、南の中で最も好きなコースだった。

07 今年はどんなドラマが生まれるのだろうか?

2016年シーズンはイ・ボミが2年連続の賞金女王に輝いたが、そんな熱気が冷めやらぬ間に2017年シーズンの開幕戦が迫っている。3月2日から4日間の日程で、今年もこの琉球ゴルフ倶楽部を舞台に、ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントが開催される。今は、本戦に向けて着々と準備が整えられている。
開幕戦は各選手にとって、その年を占う大きな意味を持っている。年々レベルが上がり、盛り上がりを見せる女子ツアー。それをコース側も十分に認識しているだけに、最高の舞台を整えている。今年も沖縄から始まる女達の熱い戦いに注目したい。

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