大地の巨匠

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六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)は、昨年の日本オープンが開催されたトーナメントコースだ。1983年にも同大会を行っており、昨年で2回目の開催となる。ほかにもマンシングウェアオープンKBSカップ、アジアパシフィック パナソニックオープン、日本シニアオープンなど数々の大会を開催しているが、ゴルファーにもっとも馴染み深いのは、サントリーレディスオープンではないだろうか。

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サントリーレディスオープンは、1990年に有馬ロイヤルゴルフクラブで第1回大会が行われた。その後、キングフィールズゴルフクラブ、ジャパンメモリアルゴルフクラブで開催した後、2006年の第16回大会から六甲国際ゴルフ倶楽部で毎年行われている。

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コースは東コース18ホール、西コース18ホールの全36ホールからなるが、同大会は東のアウト9ホール、西のアウト2ホール、イン7ホールを使って開催されてる。
六甲山近くの広大な丘陵地に展開する同コースは、いずれも加藤福一が設計し、1996年にジャック・ニクラス監修の下、アメリカで数々の名コースを手掛けてきた米国人シェイパーにより造形改造された。

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加藤福一は関西を中心に活躍した設計家で、関西地区では上田治に次ぐ数のゴルフ場を設計。兵庫県に限れば、六甲国際ゴルフ倶楽部をはじめ、太平洋宝塚コース、マダムJゴルフ倶楽部、粟賀ゴルフ倶楽部など、13コースを設計。その数は上田を上回っている。

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1975年に六甲国際ゴルフ倶楽部を設計した加藤は、開場に際し以下のコメントを残している。「誠に雄大で景観と変化に富んだ36Hが完成致したのでありますが、今後のコース整備について申し述べて置きますと、メンバーのゴルフ技術の向上に合わせて、ハザードの増設(バンカー及び人工池等)、樹木に依るコースのセパレートとプレー難度の増進等々。六甲国際コースをして名実ともに格調高いものとなるよう、私も今後は会員の一員としてアドバイスして参りたいと思って居ます」。

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そんな加藤の言葉を受けてか、1996年にニクラウス・デザイン社が大幅な改修を行った。「海外のコースと全く同じグリーンアンジュレーションや美しいバンカーリング等を表現することができました」とは改修後の同社のコメントだ。
実際、昨年開催した日本オープンの総距離は同大会史上最長の7394y(東コースで開催)。国際基準のスケールを持つコースに変貌を遂げた。

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ニクラス・デザイン社の改修ポイントは、西コースはアメリカンスタイルを基本とした一方、東コースはそれまでの戦略性とバンカースタイルを維持することを最重視したこと。具体的には、西コースはややうねりを持たせたフェアウェイが特徴で、フェアウェイのうねりを利用すればティショットで飛距離を伸ばすこともできる。またセカンドショットではドローやフェードを駆使しなければ攻略できないレイアウトだ。対して東コースは小さめのグリーンが特徴。“点”で攻めるコースマネジメント能力、技術が要求される。

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東と西で全く違う顔を持つ六甲国際ゴルフ倶楽部。サントリーレディスオープンではそれぞれの9ホールを利用しているため、パワーと技、マネジメント能力、メンタルの強さなど、ゴルフに必要なすべてが揃わなければ攻略できない。実際、歴代優勝者を見てみると、2011年、2014年はアン・ソンジュ、2013年は森田理香子とその年の賞金女王が制しているし、2016年、2015年大会はイボミが2位。常に実力者が上位に名を連ねているのだ。
東と西、各コースの特徴的なホールを例に、六甲国際ゴルフ倶楽部の魅力を紹介していこう。

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打ち下ろしだが距離の長いパー3ホール。グリーンは3段になっており、ピンポジションによって狙いどころが大きく変わる。ピンが手前の場合はグリーン手前と右奥にバンカーがあるため、距離感が問われる。また、左サイドの上段にオンすれば激しい下りのラインが残ってしまう。ピンが奥に切ってある場合は、左手前のバンカーに注意しながら、ピンのある面に正確にオンさせたい。攻略にはまず、正確な番手選びが重要だ。

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ティグラウンドに立つと、幅の広いフェアウェイ、左のフェアウェイバンカーの形状からアメリカンスタイルのレイアウトという印象を受ける。狙い目は正面に見えるメタセコイヤの右サイド。飛ばし屋は右サイドのバンカーにも要注意だ。池越えのセカンドショットの後は、コースの雰囲気がガラリと変わる。左右にバンカーのある砲台グリーンは、これぞ日本の名コースといった印象。左右のブレはもちろん、タテの距離感も要す繊細なショットでグリーンをとらえたい。

11/東コース 3番 Par3

12/東コース 4番 Par5

13/東コース 4番 Par5

手前の大きなバンカーがプレッシャーを与えるパー3ホール。奥から右サイドもグリーンを囲むようにバンカーが配置されている。グリーンにはアンジュレーションがあり、ピン位置によって狙いどころが変化するので要注意。また、上空の風の読みも重要だ。
サントリーレディスでは、2007年、2010年大会で上原彩子がホールインワンを達成している。同一コース、同一ホールでのホールインワンは史上初の快挙だった。

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ストレートなミドルホール。木やバンカーの配置が絶妙でプレーヤーにプレッシャーを与える。左サイド手前と右サイドにアゴのあるバンカーを持つ砲台グリーンは戦略性が高い。しかし、距離が短いパー4なのでティショットが成功すれば、高い球でグリーンをとらえることも可能になる。積極的にバーディを狙っていきたいホールだ。

15/東コース 6番 Par3

美しい池が印象的な池越えのショートホール。危険を避けるならば、ピンポジションにかかわらず、グリーン右サイドに確実にオンさせておきたい。ただし、アンジュレーションが強いためティショットからパッティングまで気が抜けない。
2015年のサントリーレディスは成田美寿々とイボミが優勝を争ったが、勝負のポイントはこのホールだった。先にティショットを打ったイボミがグリーンをとらえたが、成田はその内側につけてバーディを奪取。「守ったらボギーになる。勇気を持って8Iでしっかり打てた」と成田。勝利を呼び込んだ1打だった。

16/西コース 10番 Par4

サントリーレディスでは最終18番になるのが西コースの13番。クラブハウスを正面に見る雄大な打ち下ろしの名物ホール。ティショットは左右のバンカーと風、セカンドショットは池とバンカーに注意してイメージ通りに攻略したい。
大会では数々の名場面が生まれているホールだが、印象深いのは2008年大会だ。上田桃子と大山志保は同スコアで最終日最終ホールを迎えた。大山は2オンに成功し、ファーストパットを1mに寄せる。一方の上田はセカンドショットがグリーン手前の傾斜につかまり花道に。そこからピン横50㎝にピタリとつけてパーをセーブした。プレーオフ突入かと思った瞬間、大山がパーパットを外してボギーとし、上田の優勝が決まるという波乱の幕切れだった。

17/西コース 11番 Par4

東コース:18H/par72/7412y/(OUT:3663y/IN:3753y)
西コース:18H/par71/6824y(OUT:3511y/IN:3313y)
※表示ヤード数はバックティーを使用


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